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Arsenalとその他もろもろ

2017冬アニメを観終わった感想

今朝見た増田に触発されて自分でも2017冬アニメを振り返ってみたくなった。 

1月にポストした当ブログの2017冬アニメのエントリ。

blog.diesoon.com

 

 

結局ぼくが今季最後まで観ていた(っぽい)作品はこちら。

  • 『ACCA13区監察課』
  • 『クズの本懐』
  • 『リトルウイッチアカデミア』
  • 『Chaos;Child』
  • 『セイレン』
  • 『One Room』
  • 『昭和元禄落語心中 助六再び篇』
  • 『3月のライオン』
  • 『この素晴らしい世界に祝福を!2』
  • 『けものフレンズ』

 

『ACCA13区監察課』

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政治ドラマという地味なテーマながら、これはかなりよかった。

謎の多い登場人物や最終話まで結末がどうなるのかわからないストーリーにも引き込まれたし、独特のアートワークやローマ字読みのサイン表現("KANSATSUKA"みたいな)も好きだった。

珍しくシリアス演技の主人公・下野紘を始めとしたキャストもよかったと思う。とくに悠木碧がよかった。無邪気で高貴という役柄に彼女の優しくてきれいな声が本当にぴったりで、また彼女が好きになった。

気に入らなかった部分はあまりないが、強いてあげればラップが入るファンキーなOP曲はこの内容に合っているようには思えなかった。ラップと女性ヴォーカルがJ-POP過ぎていてせっかくの無国籍で謎めいた世界観が台無し。せめてインストだったらよかったのにと思う。

 

『クズの本懐』

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描写がセンセーショナルだったということ以外ではあまり印象に残っていない。

この作品はとにかくモノローグの連発で、ハナビとレズ友だちの絡みではモノローグがクロスして、ついには頭の中なのにユニゾンで同じことばをつぶやくという離れ業までやってのけた。オカルトか?

各キャラでそれぞれモノローグが挟まれることからこの作品は群像劇といえる。愛憎入り混じった感情はどん底まで描かれるというのに、ストーリーがなんとなく散漫な印象に感じるのはそこからきていると思われる。

モノローグというものはキャラクターの心情を伝えるのに便利な反面、使いすぎると視聴者の想像の入り込む余地がなくなって感情移入が阻害される。

たとえばこれとまったく同じストーリーで、モノローグを廃して、視聴者にはセリフや行動から心情を読ませるような演出だったらまったく違った作品になっていたように思う。ビッチ先生の本心は? ムギの不器用さ、レズ友が親友への想いをひた隠し苦悶する姿が描かれたなら。きっと視聴者の感情移入レベルは段違いだったろう。むしろそっちのほうが面白そうじゃないか?

 

『リトルウイッチアカデミア』

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これは2クール作品らしくまだ半分。

アニメーションとしての完成度は今季のどの作品よりも明らかに高い。キャラの動きやお話のテンポの気持ちよさといったアニメ本来の出来は素晴らしいものがある。抽象的なイメージのモーショングラフィックがひたすらに気持ちいいEDは映像も音楽も好き。

が、各話で一話完結的に事件が起こるとはいえ魔法学校での日常がベースになっているため、全体を通してストーリーに引き込まれるという作品でもない。

アッコがシャリオみたいな魔女になりたいということだけが通底しているテーマだが、アッコが落ちこぼれという以外にも、物語を盛り上げるためにはそこに至るまでに乗り越えるべき障害が描かれなければならないように思う。

これが仮に少女たちの冒険譚で、ある目的に向かって進んでいくようなストーリーだったなら毎回続きが気になっていただろう。

さすがにこのままのテンションでラストまで行くということはないだろうが、後半では願いを叶えるまでの一本筋の通った冒険が用意されるのか。また密かにアッコの才能に気づきつつある学園の女王ダイアナが後半にどういった役割を与えられるのか。

 

杖に輝く北斗七星と「7つの言の葉」を蘇らせるというのがカギになりそうだが、前半を終わってまだ今後どうなるか大きな動きが見えてこないため、後半へ向けての期待度は若干停滞気味だ。

 

 

『Chaos;Child』

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回数を重ねるごとに飛ばし飛ばしで観るようになって、結局内容がよくわかっていない。病院の先生で養父の男が黒幕だった? いつの間にか主要キャラが超能力者で魔法の剣みたいなものが出現していて、そのあたりからもうがっくりと興味が削がれてしまった。

超常現象は起きてもいいのだけど、それを目の当たりにするような世界ではもう何が起きてもおかしくないことになってしまう。ドラマのフレーム自体が崩壊した世界でわれらは何に驚き、何に感動すればよいというのだろうか。その世界が現実と地続きだという感覚が薄れてくれば、どんな凄惨な猟奇殺人でも心を動かされるということがない。

個人的には典型的なエロゲマナーのキャラデザもキツかった。

 

『セイレン』

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男子ならドキドキワクワクするよねっていうシチュエーションを手を変え品を変え詰め込むというのがこのシリーズのテーマだと思うのだけど。今回はどうだったんだろう。膝裏キスを超えるようなドキワクはあったんだろうか。

 

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印象に残っているのは第3話の合宿の浴場で主人公が欲情したシーン。股間の隆起を指摘されて、てっきりそれは何か別のものが入っていた+そんなわけあるか的な言い訳をするのかと思いきや、単に勃起した陰茎だったという衝撃。一線を越えた感がある。

 

『One Room』

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VR風味の一人称視点というマニアックなアニメ。少女や幼女への性的なまなざしをまったく隠さないこの感覚。MXとはいえ地上波で放送して大丈夫だったんだろうか。『クズの本懐』の性描写がBPO的なアレで話題になったが、本来、放送倫理的な罪の重さでいえばこちらのほうが上だろう。

あと目でかすぎ。

このあとは男性キャラが登場する女性向け作品になるというが果たして。

 

『昭和元禄落語心中 助六再び篇』

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落語家一家をめぐる人間ドラマ。文句の付け所がない。エンディング曲が流れるたびに何度涙を拭ったことか。エンディングはほんとうに素晴らしかった。キャストでは関智一、石田彰、山寺宏一に林原めぐみといった名声優たちの演技はもちろん、幼女から老人まで各年齢を演じた小林ゆうの芸達者ぶりも忘れられない。

ところで、この作品のモブを見るたびに「新谷かおる」を思い出す。「雲田はるこ 新谷かおる」でググってもそれらしい指摘をしている人はいないようだ。とくに演芸場のモブなど顔の作画にかなり影響を受けているように感じたのはぼくだけなのか。

 

『3月のライオン』

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原作への思い入れが強い分、アニメ版については辛めに観ざるを得なかった。

感想としては出来損ないというよりは無難にまとめたというほうが大きい。お世辞にも素晴らしい出来とはいえないが、すでに評価が決定的ともいえるマンガの名作をアニメ化するというチャレンジについては率直にがんばっていたと思う。

個人的には大して面白くもないギャグ演出は不要だったと思うが、それがなかったらもっと地味な見た目になっていたんだろうか。

せっかくNHKなんだし、子ども向けでもなかったと思うので、そういったことに慮る必要もなかったんじゃないかと思うのだが。それはオッサンの意見かもしれない。

アニメでしかできないことが出来ていたらもっとよかったのにと思う。

 

『この素晴らしい世界に祝福を!2』

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このブログでは異世界ラノベを忌み嫌うエントリをいくつも上げてきた気がするが、すべてが嫌いというわけではない。『オーバーロード』も『GATE』もけっこう好きだ。

異世界コメディであるこの作品については、特別好きということでも特別嫌いということもなく、昼飯を食いながら観るのにちょうどよかった。ラーメン屋でくたくたになった数ヶ月前の漫画雑誌をパラパラめくるような感覚である。

 

『けものフレンズ』

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絶賛の嵐。

全体を通してやっぱり近年まれに見る傑作だったように思う。今季どころかここ数年でもトップクラスの作品だろう。ぼくのような普段から人の揚げ足ばかりとっている小うるさい中年にとってもうなるほど面白かった。最終話が終わっても興奮さめやらぬといった感じだが、さまざまな意味でアニメ史に残る作品になったといえそうだ。

面白いマンガに必ずしも画力が必要ないのと同じように、拙いCGや声優の小慣れていない演技といった明らかな短所も、細部まで丁寧につくり込まれたシナリオや演出のパワーで逆に長所にしてしまった。これはこの独特の世界観をつくりあげた監督の力としかいいようがない。

そして星野源が1日60回聴いたというOP曲は、『もってけセーラーふく』に匹敵するアニソンクラシックとしてこれからも末永く聴き継がれるだろう。

 

いい意味で視聴者の反応と無関係につくられたのがファーストシーズンだとすると、評価が定まった分、セカンドシーズンでは制作者もまったくニュートラルな状態からつくることはできなくなった。第二期への期待が大きいだけにこれは相当なプレッシャーだろう。制作サイドのセンスが問われるセカンドシーズンとなりそうだ。