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ダイスン

Arsenalとその他もろもろ

アニメ『DAYS(デイズ)』の感想

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サッカー作品ということで、少し気になっていたアニメ『DAYS』を第9話までイッキ見。なかなか面白かった。続きが楽しみ。

days-project.jp

 

第一巻がKindleで無料だったため、読んでみて興味をもったというのもある。あんまり面白いとは思わなかったが。

 

DAYS(1) (週刊少年マガジンコミックス)

DAYS(1) (週刊少年マガジンコミックス)

 

 

最近のサッカーものとしては『ジャイアント・キリング』がそこそこ成功したほうだと思うが、スポーツものとしてやっぱり『弱虫ペダル』や『ハイキュー』を連想させた。豪華な男性声優陣もその流れを感じさせる。

 

主人公のつくしはヒロイン

この作品の魅力は主人公の男子「柄本つくし」だ。真面目で一所懸命で人を憎むことを知らない。ちょっと女の子っぽい。というか女子である。つくしといえば『花より男子』の牧野つくしが一番に思いつく。どちらかといえば女性の名前ではないんだろうか。

そしてハイジのようにつねに頬に丸い赤みがさしていて、汗臭く精液臭い男子高校生の部活のなかで、唯一石鹸の匂いのする少年であることを示唆している。

合宿の銭湯シーンではなんと無毛であることにも触れている。いっそもう一歩踏み込んで包茎にも触れて欲しかった。

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真面目な表情もかわいい。ほとんどヒロインである。

チームメイトである風間はつくしを愛しすぎなど、一般人でも気付かざるを得ないほど露骨な男同士でのイチャイチャやあざとい部分もありつつ、やっぱりBL妄想が捗りそうな作品。

 

ちなみに主人公やヒロインのキャラデザは、『黒子のバスケ』『残響のテロル』の中澤一登という人が手がけていて、どこかで見たよなあと思っていたら、ものすごく『サマーウォーズ』っぽいことに気付いた。女子キャラも。

公式サイトのキャラクター一覧を見ればつくしの顔面造形は、目が細い大人の男性の形をした他キャラに比べて目が縦に長く、より女子に近いものになっている。男子部員のなかでは下野紘演じる灰原二郎だけそっち側である。

 

DAYS公式サイトキャラクター紹介より

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ストーリー

何のとりえもない、特技もない、けれど人知れず、熱い心を秘めた少年・柄本つくし。
彼が西東京の名門、聖蹟高校サッカー部に入部した時、運命は激しく回転を始める。
孤独なサッカーの天才・風間陣、超高校級プレイヤーの主将・水樹寿人、トップ下に君臨するクールな司令塔・君下敦、
唯我独尊系大型フォワード・大柴喜一……。
クセ者の集う厳しくも優しい部活の中で、少年たちはかけがえのない絆を結び始める。
これは、ひたすらに熱く、どこまでも純粋な、聖蹟高校サッカー部の汗と奇跡と友情の物語!!

 

序盤では、このつくしがダメな奴から次第に努力や才能を認められてというお約束の流れになるのだけど、アニメでは原作にあった不良にいじめられるシーンを丸々カットしたり展開を急いだためか、ダメ描写が弱くなっていて、いまいちどんなキャラなのかわかりにくい。

また風間がつくしをフットサルに誘うところからサッカーに目覚めはじめるのに、風間がどうしてつくしに興味を持ったのか、肝心な部分がよくわからなくなっている。

そういうわけで、なんだかよくわからないうちに素人が名門サッカー部に入部しているという状況になっている。

そして気づいたらファーストチームに抜擢されている。展開早い。

しかし、チームメイトがつくしに特別なものを感じるのは、そこに至るまでにいろいろエピソードがあったからまあいいとして、監督がつくしの特別さに気付くまでにはもう少し時間をかけていろいろあってほしかったような気がする。泣いて悔しがる3年の先輩を差し置いてまで選抜される理由になる何かを。

 

 

ヒロインたち 

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あとフットサルに付きそう幼なじみの橘小百合(CV 佐倉綾音)がいかにもその後メインヒロインとして登場しそうな雰囲気を漂わせながら、第9話までほとんど登場しないという肩透かしがある。第一話以降の脚本が修正されたとしか思えない冷遇っぷりである。

 

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伊瀬茉莉也は佐藤利奈に声も演技もそっくりすぎ。

 

 

『DAYS』のユニークさ:スポーツの技術的な部分をばっさりカット

この作品のユニークなところは、サッカーのプレイやスポーツの理論的な部分を綺麗さっぱり削ぎ落としたところだと思った。

脇を閉めてナヨナヨとした走り方を見せるつくしに、まず誰かが見かねてジョグの基本を教えるのかと思ったらいつまでたってもナヨナヨ走っている。サッカーで走るというのはプレイの基本中の基本でこれを教えないサッカースクールというものはないんじゃないか。プロですら走り方を研究したりするほどサッカー選手にとって大事なものだ。

部長に蹴り方を教えてほしいと頼めば、「気合だ」と教えられそれっきり。部長の性格を示すシーンでもあるからそのシーンはいいとしても、どこかで誰かが教えなければならないのは、まずインサイドキックだろう。これも蹴り方があって、ビギナーにはボールの蹴り方として最初に教えられるべきものだ。

 

サッカーの素人にインサイドキックを教えて、それの大切さを説く。真面目なつくしはバカ正直に走り、インサイドキックばかりを練習してまわりからバカにされるが、はじめに基本をがっちり習得することが後の成長の伏線となる。『おおきく振りかぶって』や『ベイビーステップ』なら絶対描いたであろう描写。『弱虫ペダル』ですら、先輩にペダルの漕ぎ方を教わるシーンがある。ところが『DAYS』にはそういった描写が一切ない。すがすがしいほどにない。

 

おそらくは意図的にスポーツの技術的な側面を排してあるんだろう。ちょっと感心した。こういった素人が成り上がる系のスポーツを描く漫画家なら、いかにも書きたくなってしまいそうな誘惑があると思う。

しかしそういった技術に関わるくだりを徹底的に無視して、基礎的な技術の反復が成長を促すというスポーツの常識、スポーツマンガですら患っている「つまらない理屈」という病理に、あえて気合や情熱やがんばりという名の熱血竹槍でチャレンジしたところに『DAYS』の美徳はあると思う。

 

んなわけない。