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ダイスン

Arsenalとその他もろもろ

フットボーラーの日本独自表記と英語教育

フットボール 駄話

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またプレミアリーグを愛すおれがお送りするフットボール駄話であるが、毎度気になって夜も安らかに眠れないのは、現地読みでも英語読みでもない選手名表記である。

いまもっとも気になっているのはJ-SPORTSのコラムで使われる「バルディ」。

たとえば、英語読みと現地読みで微妙に発音が違うということはままある。先日話題になったスイス人のグラニト・ジャカも、本人が「ぼくはジャカだよ」と言っている映像でファイナルアンサーだったわけだが、確かに英語コメンタリでシャカと濁さずに発音しているのは聞いたことがある。

またかつてワールドカップでコロンビア人のハメス・ロドリゲスが活躍して、レアル・マドリーに移籍するということで大変に話題になったときに、ESPNのアメリカ人コメンテーターたちは「ハメス」か「ジェームス」かで冗談を言い合っていた。アメリカ人だって、現地の読み方を尊重するときはするし、英国人だってボイチェフ・チェズニー(Wojciech SZCZESNY)が現れたときには読み方に苦労したはずで、結局は現地ポーランド人の読み方に倣ったのではないだろうか。Szczesnyは極端な例だが。

わたしたち日本人プレミアリーグファンは英国読みと現地読みと、どちらか好きな方を選べばいいと思う。

だがバーディは英国人で、現地コメンタリもメディアも「ヴァーディ」と発音しているし、日本のほかのメディアでも「バーディ」表記が主流で、さすがに「バルディ」は見かけたことがない。それはスペイン語なのかな? でもどうしてここでわざわざ誰も使っていないスペイン語読みを採り入れたのか。Jスポはコラム連載陣の元川悦子さんと後藤健夫さんとおふたりともバルディ表記をしていたので、Jスポ内での決まり事でもあるのだろうが、どうして日本語オリジナルの表記にこだわったのだろうか。

トルシエ監督が日本のナショナルチームを率いていたとき、『NUMBER』は「トゥルシエ」表記にこだわった。今もそうかもしれない。フランス語に近い読みなんだろう。それはいい。だが、英語読みでも現地読みでもない日本オリジナルの表記だけは本当に受け入れがたい。

Arsenalの日本公式サイトでは、カラム・チェンバースを一貫してカラム・チャンバースと表記する。Chambersならば、より英語の発音に近いチェンバースあるいはチェインバースと書くべきだろう。どうして最初から素直にカラム・チェンバースで決めなかったんだろう。わざわざ英語から遠い、耳慣れないチャンバースという表記をしなくちゃならない理由はなんだったんだ。ヘボン式ローマ字の復権とか何か主張すべきことがあったのならニュースリリースで発表すべきだ。なお、矛盾が甚だしいのは、Alex Oxlade Chamberlainはしっかりチェンバレンなのだ。そこはチャンバレンじゃないとおかしいじゃないか。どうして日本人はオリジナルの発音で表記をしたがるのか。まったく理解できない。

これからさらに衰退していく国に生きているわれわれ日本人は、そういった字面をカタカナで翻訳するようなガラパゴスな習慣を捨てて、これから国際人になるべくもっと現地のことばの読み方というものを尊重する必要があるんじゃないだろうか。ミルクはメウクと、ブルシットはボウセッと、ワンニルはワンネオと教えればいいじゃないか。

昔、浅田彰エイズで死んだ写真家のロバート・メイプルソープのメイプルはappleのあたまにmがついているのだから、マップルソープとしか読めないと書いたコラムがあったはずだけれど、今おもえば、あたまの固い非常に日本人らしい発想である。ことばなんて実際に現地で話されていることば以上に正しいものはないのであって、それを否定することは外国語の習得には何の得にもならないはずだ。

せっかくプレミアリーグが人気で中高生たちも観ているだろうし、ニュースなどメディアに触れる機会も多い思うので、出版社やニュースメディアの方には間違った日本独自の発音での表記をできるだけしないよう、表記の基準を再考してほしい。

 

ふろく:Arsenalで気になっている選手カタカナ表記

 

Petr Čech

チェフ(ツェフ) VS チェック(チェク)

Wikipedia日本語によると「チェコ語ではペトル・チェフとなる。ツェフはドイツ語読みに近い」。英語ではチェクである。

 

Wojciech Szczęsny

スチェスニー VS チェズニー(シェズニー)

あたまの「ス」は聞こえない。聞こえたことがない。

 

Serge Gnabry

ナブリ(ニャブリ) VS グナブリ

Wikipedia日本語でも「セルジュ・ニャブリ」表記。父親コートジボワール人だからフランス語読み? でもドイツ人である。ドイツ人の同僚であるメスト・エジルがはっきり「グナブリ」と発音している。

 

Héctor Bellerín

ベジェリン VS ベレリン 

日本ではファンのあいだでも「ベジェリン」が主流だが、おれは「ベジェリン」ということばを非日本語の実況でも一度たりとて耳にしたことがない。カタルーニャ州出身ということでベジェリンはカタラン語読みなのかもしれない(チャビとシャビ)。下の動画のなかで自分でも「ヘクター・ベレリン」と呼んでいるのは英語で話すなかで英語風に定着した呼ばれ方で自らを呼んでいる可能性はある、しかしその下のインタビューでもスペイン語インタビュアーが呼んでいる名前は「ヘクター・ベレリン」に聞こえる。


Hector Bellerin & Nacho Monreal | UnClassic Commentary


Reportaje con Hector Bellerin jugador del Arsenal, ex-canterano del Barça